3月11日の震災以降、私たちが農業を行っている田村地方も、放射線による影響を少なからず受けています。放射性物質が取り込まれた食品による内部被爆の人体への影響については、未だ詳しくは分かっておらず、私たちも非常に不安に感じています。少しでも安心して私たちの野菜を食べていただくため、壱から屋では定期的に大気・土壌・作物の放射線濃度の測定を行っています。これらの結果を考慮した上で、私たち壱から屋の野菜を購入していただきたいと思います。
大気・土壌中の放射線濃度について
大気中の放射線濃度は、震災直後は
8.0μSv/hほどでしたが、現在は
0.1μSv/h台まで下がりました。近隣する他の地域の値と比較しても、この数値は非常に低い値であると思います。
土壌中の放射線濃度は、4月21日の段階で畑で
379Bq/kg、田んぼで
58Bq/kgでした。「国の定める基準は高すぎる」という意見もありますが、水田に関しては「土壌中の放射線濃度が5,000Bq/kg以下であれば作付け可能」という国の基準を大きく下回っています。また、作物への放射性物質の移行係数(どれだけの割合が吸収されるか)は、ナス科の高いもので0.011であり、
379Bq/kgの畑で作られた野菜の放射線濃度は、高いものでも
5.0Bq/kg前後になるであろうと考えられます。しかしこの数値は推定値であり、また土壌中の放射線濃度は場所によっても異なるため、この数値よりも高くなる可能性は十分に考えられます。なお、国が定める食品中の放射線濃度の上限は
100Bq/kgとなっています。(もっとも、この基準も高すぎるという意見は非常に多いですが。)
食品中の放射線濃度について
壱から屋では食品の放射線測定器を導入し、全ての野菜・加工品の測定を行っています。幸いにもここ田村地方の空間線量レベルは低く、野菜・加工品の測定値で10
Bq/kgを超えるものは滅多にありません。壱から屋はその数値をすべて公開し、お届けする荷物と一緒に同封しています。下記に過去のデータの一部を記載しますので、ご参考になさってください。
○測定結果の一例○
トマト(大内ファーム):3.92Bq/kg未満 |
きゅうり(大内ファーム):2.19Bq/kg |
しいたけ(ふぁーむ渡辺):6.14Bq/kg |
じゃがいも(青柳堂):6.16Bq/kg |
かぼちゃ(青柳堂):5.34Bq/kg |
なす(青柳堂):不検出 |
トマト(青柳堂):不検出 |
ミディトマト(青柳堂):3.33Bq/kg |
ミニトマト(青柳堂):1.75Bq/kg |
インゲン(根本君江):4.98Bq/kg未満 |
ピーマン(大内たみ子):5.99Bq/kg |
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蒸しパン(大内桂子):3.49Bq/kg |
ソフトフランス(ママリン):6.66Bq/kg |
かりんとう(でんでん虫):3.73Bq/kg |
一定レベルの放射線が人体にどのような影響を及ぼすのかについて、確かなことは何も分かっていないため、これらの情報から「完全に安全です」と言うことはできません。しかし、私たち壱から屋はこれからも安全でおいしい野菜を作り、提供していきたいと考えています。そのためにも、今後放射線濃度低下のためにあらゆる努力をし、その都度結果を報告させていただきたいと思っています。どうか上記の内容をご理解の上、ご購入いただけたら幸いです。
壱から屋一同